立体看板裁判:道路占用許可申請と袖看板設置条件

看板屋さんとして興味深いといいますか、関心のあるニュースが流れてきました。

はみ出した「龍のしっぽ」を切除 “断腸の思い” 龍の顔に涙の装飾 大阪・道頓堀「金龍ラーメン」 立体看板の一部撤去命じる判決受け(ABCニュース)

私も昔大阪に住んでましたので見たことありますが、道頓堀のラーメン屋さんの立体看板のうち、しっぽ部分が隣の敷地にはみ出していて、所有者が撤去を求めていた。ということですね。

私の経験上は、看板設置の際、隣地に看板自体がはみ出すことはほぼありません。

スポットライトがはみ出したりする可能性はありますが、その場合はお客様が隣の地主さんに了解を取ることで解決する事が多いです。

ともあれ、お客様の敷地からはみ出さないようにすることが、一番いい方法であり基本ではあります。

スポットライトにしても、アームの短いものや蛍光灯型のLEDを使うこともできるし。

そういう認識でおりますので、こういうことで裁判まで行ってしまうのだな。というのが最初の感想。

越境していて、隣地所有者から撤去を求められれば、基本的には応じざるを得ないかな。

高所にあるため邪魔にはならないでしょう。ということかもしれませんが、例えば地主さんがビルを建てたいとか、そういうときにはじゃまになる可能性はありますもんね。

ただ最初から「いけるやろ」ということで、なんのことわりもなくこういうことをするのも考えにくく、最初は隣地所有者に了解を取っていたけど、その後状況が変わった(所有者が変わった、建物の建て替えが行われることになった。など)ということなのでしょうか。

何にせよ、私達も誘導サインを立てるために土地を借りたりする場合に思うことではありますが、お客様以外の意向で、状況が変わる可能性がある。というのは、立場的に弱いので。

隣地が最初空き地で、持ち主さんからは「はみ出してもいいよ」と了解を取っていたとしても、その後持ち主さんの事情が変われば、対抗することは容易ではありません。

もし私のお客様からそのようなことを要請されても、あまりおすすめしないやり方ではありますね。

この場合は隣の私有地に看板が越境しているケースでしたが、これが道路だとどうか。

といいますと、条件を満たして許可申請すれば可能になるケースが多いです。

道路に関する許可申請等:国道に看板や日除けを出したい(浜松河川国道事務所)

このリンクが一番わかり易いのですが

出幅1mまで。

看板の下面が、車道であれば4.5m以上、歩道であれば2.5m以上。

風雨、地震、その他災害等により倒壊、落下、はく離などの事故のないような堅固な構造のもの

(浜松河川国道事務所HPより引用)

というような条件を満たし、道路の管理者(国道なら国、都道府県道や市町村道なら該当自治体)に、道路占用許可を申請し、許可されれば設置が可能となります。

また、毎年請求に従い、占用料を支払う必要があります(道路の種類によって占用料は大きく異なります)

道路にはみ出す場合、基本的には形状上建物の壁面に設置される、いわゆる袖看板。と言われる看板になるでしょう。

袖看板とはこういう看板になります。

【看板施工例】熊本市中央区、古賀刃物店様

(この看板は敷地内に収まっており、道路にはみ出していませんので念の為)

道路や建物の形状によっては、道路を占用しないと看板が見えない場合もありますので、その場合は毎年占用料を支払ってもそうした方が良い。ということもあります。

冒頭の件については、ちょっと色々と想像がつかないな。という感想ですが、法令を守って看板を設置するべく、私達も日々勉強しております。

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