屋外広告物安全点検について

屋外広告物安全点検 お知らせ

熊本県では令和元年から、屋外広告物条例が改正されています。

これはどのような改正だったかと言いますと、主に

1.管理義務を負うものの範囲の拡大

2.有資格者による点検の義務化

3.屋外広告物許可更新時における、点検報告書提出の義務化

からなっております。

今回は、屋外広告物安全点検について、詳しく解説したいと思います。

〇目次

・屋外広告物条例の改正、屋外広告物安全点検義務化への流れ

・管理義務を負うものとは

・屋外広告物の安全点検義務

・安全点検を行える有資格者とは

・屋外広告物安全点検の点検項目

・屋外広告物安全点検にかかる費用は

〇屋外広告物条例の改正、屋外広告物安全点検義務化への流れ

これは2015年に札幌市で起きた、老朽化した看板が落下して、通行人の方が重体になられた事故がきっかけになったといわれています。

看板落下、かに本家副店長に有罪判決 女性なお意識不明(朝日新聞)

この記事の中に

判決は、店の実質的な責任者の加藤副店長が事故の約2時間前、通行人の通報で店の前の歩道上に金属部品が落ちていると知ったことを重視。当日はかなり強い風が吹いていたことや部品が落ちていた場所などから、「部品が看板を含む建物から落下してきたもので、さらに部品が落下するおそれがあることを認識できた」と認定した。その上で、コーンなどを置いて歩行者に注意喚起をしていれば、事故を回避できたと結論づけた。

という記載があります。

緊急に看板の補修や撤去が出来なくても、注意喚起を行っていれば、自社の看板が他人に危害を加えることを防げたという趣旨になりますね。

この事件以降、屋外広告業の業界団体からも看板の安全性についての問題提起がなされ、各地での条例改正に結びついていきます。

〇管理義務を負うものとは

屋外広告物の管理義務というものがありまして、私は熊本市で屋外広告業を営んでおりますので熊本県の屋外広告物条例を今後例にとりますが、その第13条に

広告物を表示し、若しくは掲出物件を設置する者若しくはこれらを管理する者又は広告物
若しくは掲出物件の所有者若しくは占有者は、これらに関し補修、除却その他必要な管理を怠らないよ
うにし、良好な状態に保持しなければならない。

という規定があります。

ここで挙げられているのは

・広告物を表示する者(表示者)

・掲示物件を設置する者(設置者)

・広告物、掲示物件を管理する者(管理者)

・広告物、掲示物件の所有者(所有者)

・広告物、掲示物件の占有者(占有者)

の五者です。

これらについて、まずご説明したいと思います。

・表示者

広告物を表示することを決定する者

広告物のオーナーから依頼され、広告物を表示する者

・設置者

掲出物件を設置することを決定する者

掲出物件のオーナーから委託され、掲出物件を掲示する者

・管理者

広告物、掲出物件を良好な状態に保持する者

・所有者

広告物、掲出物件を所有している者

・占有者

広告物、掲出物件を借り使用している者

となります。

〇屋外広告物の安全点検義務

今回の改正で、広告物の所有者及び占有者に、有資格者による広告物又は掲出物件の劣化や損傷の状況等の点検をすることが義務付けられました。

分かりやすく言いますと、自社の敷地内や建物に(所有物件か賃貸物件かは問わない)自社のPRの為の看板を設置するのが「自家用広告」。

それ以外の、他人から自社のもの以外の敷地を借りて、そこに自社の看板などを設置する(誘導看板やロードサイドサインと言います)を「一般用広告」といいます。

簡単に言いますと、自家用広告を設置している人は看板の「所有者」、誘導看板を借りて自社の広告を掲示している人は「占有者」という解釈でいいと思います。

要は、看板を設置されているお客様に、安全点検義務が課せられているという事になります。

〇安全点検を行える有資格者とは

看板の所有者と占有者に安全点検義務が課されている。

それでは自分で点検して報告書を作成するか!

となるかもしれませんが、それは出来ません。

屋外広告物安全点検を行える有資格者は、以下の人たちであると規定されています。

・屋外広告士

・建築士(一級、二級)

・屋外広告物点検技能講習会修了者

・広告物点検技士

以上の資格のいずれかを持つ人が安全点検を行い、屋外広告物安全点検報告書を作成することになります。

ちなみに当社には屋外広告物点検技能講習会修了者が在籍しております。

下記のリンクもご参照ください。

屋外広告物の管理責任と点検

〇屋外広告物安全点検の点検項目

点検項目は以下の通りになります。

基礎部、上部構造
1 上部構造全体の傾斜、ぐらつき
2 基礎のクラック、支柱と根巻きとの隙間、支柱ぐらつき
3 鉄骨のさび発生、塗装の老朽化

指示部
1 鉄骨接合部(溶接部・プレート)の腐食、変形、隙間
2 鉄骨接合部(ボルト・ナット・ビス)のゆるみ、欠落

取付部
1 アンカーボルト・取付部プレートの腐食、変形
2 溶接部の劣化、コーキングの劣化等
3 取付対象部(柱・壁・スラブ)・取付部周辺の異常

広告板
1 表示面板・切文字等の腐食、破損、変形、ビス等の欠落
2 側板、表示面板押さえの腐食、破損、ねじれ、変形、欠損
3 広告板底部の腐食、水抜き孔の詰まり

照明装置
1 照明装置の不点灯、不発光
2 照明装置の取付部の破損、変形、さび、漏水
3 周辺機器の劣化、破損

その他
1 附属部材(装飾、振れ止め棒、鳥よけ、他)の腐食、破損
2 避雷針の腐食、損傷
3 その他点検した事項

以上の項目について点検し、各部の写真を添付して報告書を作成します。

これらすべての項目を検査しますが、その看板にない項目は当然ながら点検しません。

例えば、非電照看板の場合は照明装置の項目はありませんし、壁面に設置する看板であれば基礎部・上部構造の項目はない。ということになります。

その看板の種類によって、点検する項目が変わってくるということですね。

これが熊本県や熊本市で使う報告書の書式となります。

こちらに上記の項目について、異常有・無を記入し、改善を要する点があれば記入します。

とはいえ、異常があって改善点がある。という屋外広告物ですと、屋外広告物更新申請には通りません。

異常がある場合はそこを改善し、改善した旨を記入し写真に撮って、申請することとなります。

照明器具の不点灯、不発光でも申請は不可。となりますので、結構厳しいといえば厳しいのです。

蛍光灯やLEDが劣化によって点かない状態でも、不可になりますからね。

〇屋外広告物安全点検にかかる費用は

屋外広告物安全点検にかかる費用は、ケースバイケースと言えます。

基本的にはあまり高さや大きさがなく、設置から時間がたっていない建植式サイン。

といいますと、大体ですが3万円程度からが目安になると思います。

これに高所作業車費用が必要な高さがあるサインや、アクリル部分の取り外しが必要な内照式サイン(照明の点灯確認が必要なため)になりますと、追加で費用が必要となります。

また、錆びている部分がありますと再塗装が必要となりますし、場合によっては急を要する撤去修繕が必要な危険な看板もありますと、その旨をお伝えして工事を行わなければならないこともあります。

その場合も、追加で費用がかかることとなります。

当然、その際はお客様にご相談することとなります。

屋外広告物安全点検にかかる費用は、

基本安全点検料金+高所や内照式サインの場合などの追加料金+修繕や撤去が必要な場合の料金

ということになります。

屋外広告物安全点検が必要な場合は、まずお電話にてご相談下さいませ。

お見積りをさせていただきます。

またお問い合わせの際には、屋外広告物更新申請に伴う屋外広告物安全点検の場合、送付された更新申請書類(看板の種類や面積が記入してある)をFAXやメールにてお送りいただけますと、物件の把握が速くできますので助かります。

以上、屋外広告物安全点検について解説しました。

せっかくお店や会社のアピールをするために設置した看板です。

施主様と広告業者で協力して、美観と安全を保ちたいものですね。

看板のことなら熊本のヤヒロ広告社

電話096-380-7902

FAX096-389-3535

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